アジャイル開発におけるコミュニケーションの仕方について
事象
新メンバーが加入しお互いに仲がいいとは言えない状態の際にKPTなどでどう意見を言っていくか
Problemで既存のシステムなどの批判になってしまいチームの雰囲気が悪く/嫌われるんじゃないかなど
そのアプローチ方法を知りたいということでアサーションの紹介(ほぼアサーションの話です。)
注意点
自分も意識してしている段階なので自分のことはおいておく
読んだ本
アサーションの本やWebの内容
アサーションとは?
「アサーション」(assertion)とは、より良い人間関係を構築するためのコミュニケーションスキルの一つで、「人は誰でも自分の意見や要求を表明する権利がある」との立場に基づく適切な自己主張のことです。トレーニングを通じて、一方的に自分の意見を押し付けるのでも、我慢するのでもなく、お互いを尊重しながら率直に自己表現ができるようになることを目指します。
アサーションの起源は1950年代のアメリカで、自己主張が苦手な人たちのためのカウンセリング手法として生まれたものとのこと。
アサーションによってなにが実現できるか
- 相手のことを尊重しつつ自己主張ができるようになる
- お願い/断る/言いにくいことを言えるようになる
アサーションにおけるコミュニケーションのタイプ
- アクティブ(攻撃的)・・・自分を中心に考え、自身の考えを主張する
- ノンアサーティブ(非主張的)・・・自身の意見を押し殺し、他に合わせる
- アサーティブ・・・相手の主張を尊重しつつも、自身の主張を発する
各コミュニケーションタイプの例(遊んでいる子供にお使いを頼む場合
- アクティブ(攻撃的):「遊んでばかりいないで、手伝いなさい」
- ノンアサーティブ(非主張的):「あのさ・・・楽しそうだからいいや」
- アサーティブ:「まだ遊んでいたいと思うけど、私としてはお使いに行ってもらえるとうれしいな」
より仕事に近いパターンで
ケース1
上司に急な仕事を頼まれたが手持ちのタスクが一杯でパンクしてしまうため断りたい時
- アクティブ
- 「今忙しいので無理です。」
- ノンアサーティブ
- 「はい。わかりました。」
- アサーティブ
- 「今日期限のタスクがこれだけあるので、今は無理なんですが明後日に実施でも大丈夫ですか?」
ケース2
夫が、帰る約束の時間より大幅に遅れて帰ってきた・・・ - アクティブ - 「なんで遅いの!あなたはいつもそうやって連絡せずに遅くなるのね!」 - ノンアサーティブ - 「また口をきいてくれなくなると困るので、言わずにいる」 - アサーティブ - 「私はあなたの帰る時間に合わせて計画を立てていたの。それが無駄になってしまって悲しい」
ケース3
なにか導入したいと同僚が言っているが話をきいて確実に難しいと思っている
- アクティブ
- 「無理だね」
- ノンアサーティブ
- 「(無理だと思うけど)いいんじゃないかな/うーん」
- アサーティブ
- 「これをしたいってことはこういうリスクが有ると思うけど、そこらへんはどう対応するつもりだろう?そこを解決しない限り自分は難しいと思うな」
各コミュニケーションタイプのメリット・デメリット
アクティブであるメリット
- 物事を決める際に推進力があるかも(チームが全員ノンアサーティブの場合に物事を進めれる力がある)
アクティブであるデメリット
- 自己中心的
- 言い方がきつく、敵を作りやすい
ノンアサーティブであるメリット
- 怒られない?等
ノンアサーティブであるデメリット
- 八方美人
- なにも言えない
- 仕事が増えていったり
- 感謝されるが自分がつらくなっていくタイプ?
アサーティブであるメリット
- ディベートができる
- 他人に嫌われない自己主張ができる。
- 普通は偉い人ほどできている。
アサーションの仕方
アサーティブの原則
- 柔軟な言い方で
- 自他尊重
- 自分の気持を素直に
柔軟な言い方で
なにか反論をするときに自分が喧嘩腰で言っても 向こうも喧嘩腰になるだけ柔軟な言い方をする。
自他尊重
相手もなにか理由があって意見をいうので自分のことばかり言うのではなく相手の意見を尊重するということを考えるということ
自分の気持を素直に
相手の意見を尊重した上で自分の意見を言うようにすること
より具体的な方法
イエスバット法
- 相手の意見を部分的に認める
イエスバット法
相手の話をまず「イエス」で受け入れて、「バット」で自分の考えを述べるという方法。 「確かにこうするとここよくなるよね。ただこれってここらへんはどうなる?」 一個クッションを挟むことにより簡単になる。
DESC法
4つのステップで、相手に脅威を与えず、自分の考えを提示するやり方 - Describe - Express - Specify - Consequences の頭文字を取っている
Describe: 描写する
主観を交えず客観的事実を話す
Express: 表現、説明する
相手に共感したり自分の気持を伝える
Specify: 提案する
打開策を伝える
Consequences: 選択肢を示す
断られたときの備えを示す。
DESC法で伝える例
例1 - 「KPTが1時間立ちました」客観的事実を話す - 「ちょっと疲れてきました」自分の気持を伝える - 「少し休憩しませんか」提案をする - 「無理でしたらあと10分位で終わらせれませんか?」選択肢を示す
例2 - 「既存システムに関するドキュメントがありません」客観的事実を話す - 「自分など新しい人にとって既存の仕様を把握するのが大変です」自分の気持を伝える - 「ドキュメントに残していきませんか?」提案をする - 「もしくは理解しやすいように少しづつリファクタリングしていきませんか?」選択肢を示す
当然だけど
- 「なんかそっちよりこっちのほうがいいんだよね」 は伝わらない。
- 客観的事実を伝える、他者尊重の気持ち、なんで嫌なのかを話さないといけない
自他尊重するということについて
自分だけじゃなく他人も尊重するということ
他人の意見は聞かないといけない。そして自身の考えを改める柔軟性が必要になる。難しいことだが大切なこと
まとめ
上記を意識して話すことで自他尊重の上で意見をいうことができる(はず)。
チームとの関わりがより強いアジャイル開発ではみんな一度は知っておくべき知識なのかなと自分は思います。
一方で話しやすい雰囲気を作っていくことも大切なのでそこはチームの課題として取り組むべきだと思います。